心理療法
psychotherapy
The way is certainly both short and steep,
However gradual it looks from here; …
(W.H. Auden)
当相談室では、ジークムント・フロイトによる精神分析の考え方にもとづいた、精神分析的心理療法を行っています。 椅子に座る対面法、もしくは、カウチ(寝椅子)に横たわる方法を用います。
精神分析的心理療法では、心に浮かぶことを自由にお話ししていただきます。今のできごと、過去のできごと、夢や空想、ふと気づいたこと、考えたこと、つらかったこと、うれしかったこと…どんなことでもお話しください。 セラピスト(心理士)と一緒に時間を過ごす中で、ご相談者は自分の無意識に触れていきます。それはこれまで忘れていた自分、どこかに置き去りにしてきた自分、あるいはまだ知らない新しい自分との出会いであるとも言えましょう。自分をより深く知り、みつめることで、ほかの誰のものでもないあなた自身の人生を生きられるよう援助させていただきます。
心の底にある不安や悲しみ、怒り、恐怖といった触れがたいものにも触れていく作業ですので、その過程は楽とは言えないかもしれません。しかしまた、喜びや安らぎを分かち合う瞬間もたくさんあります。他の方法では得がたい豊かな体験を通じて自分の心を発見していくプロセスが精神分析的心理療法です。
ただ、中にはこのような方法が向かない方もいらっしゃいます。当相談室ではまず数回のアセスメント面談を行い、その方に精神分析的心理療法がお役に立てるかどうかを考えます。その結果、お断りする場合や、他の相談機関や医療機関をご紹介することもありますので、あらかじめご了承ください。
精神分析的心理療法を行うには、セラピスト自身が個人分析を受けていることが重要です。精神分析は体験そのものであり、理論を読んだり聞いたりするだけで身につくものではないからです。当相談室のセラピストは、自分が分析を受けて得た経験をひとつの大きな糧として、ご相談者とお会いしています。